工場が暑い理由とは
- info0780362
- 7月8日
- 読了時間: 3分

1. 屋根・壁が薄い構造であるため、外気の影響を受けやすい
一般的な工場の屋根・壁は、薄い金属製の素材を使用しているケースが多いです。屋根、壁が薄いと直射日光による輻射熱の影響を受けやすく、室温が上昇します。
輻射熱とは、遠赤外線によって体の奥まで伝わる熱のことです。輻射熱の元となる電磁波は太陽から放出されます。太陽は表面温度が6,000℃もある高温の物体であり、可視光線、赤外線、紫外線などの電磁波を放出しています。そしてその電磁波は、人、建物といった物体に当たると、それらを暖める熱(輻射熱)へと変化します。
輻射熱は室温ではなく人体の体感温度を上昇させるため、輻射熱が工場内に到達すると、働く従業員の体温が上がり、暑さを感じるようになります。
2. 折板屋根に太陽の熱の影響を受けやすい素材を使用している
工場の屋根は、主に折板屋根や瓦棒屋根を使用しています。それぞれの屋根の特徴は、以下のとおりです。
折板屋根……金属の板を、凹凸状に折り曲げて作られた屋根のこと
瓦棒屋根……木の棒・金属の板で構成された屋根のこと
折板屋根・瓦棒屋根の素材となる金属は、熱が伝わりやすい素材です。金属製の屋根は、直射日光から伝わる輻射熱の影響で、高温になります。高温になって暖められた屋根の熱は、建物内に侵入するため、室温上昇の原因となります。
3. 空調効率が悪い
一般的な工場は、「大きな機械を搬入・設置できる」「荷物をたくさん積むことができる」などの理由から、天井を高くしています。ただし天井が高くなると、空調効率が悪くなるため、冷房を稼働しても室内がなかなか涼しくなりません。
さらに工場は、窓が少ないので、空調効率が悪くなります。工場の窓が少ない理由はさまざまですが、主に「衛生管理・精密管理が必要」「近隣の住民に迷惑をかけたくないので、光や音が外にもれるのを防ぐため」などの理由が挙げられます。窓の少ない環境では、空気の循環を促す対策が必要と言えるでしょう。
4. 冷房をつけられない(つける必要のない)環境下である
工場で取り扱っている商品が寒さに弱いものの場合、冷房の温度を思うように下げられない可能性があります。例えば、以下のような商品です。
電子機器や精密機器
食品
冷房をつけることで電子機器や食品に悪影響がある場合、工場内では冷房をつけることができません。また悪影響がないという場合でも(いくら寒くても暑くても影響がない電子機器や食品)、光熱費削減のために冷房をつけないこともあります。
5. 熱を発する機械を取り扱っている
工場で熱を発する機械を設置している場合、機械が稼働することによって、機械本体から大量の輻射熱が放射されます。輻射熱が発生すると、工場内が暑くなり、作業環境が悪化します。
とくに機械付近で働く作業員は、輻射熱をダイレクトに受けるので、体調不良・熱中症になるリスクが高くなります。作業員の健康を守るためにも、機械への遮熱対策は欠かせないと言えるでしょう。